先日、某新聞社からキャンプイン海山のホタル観察会の事情を教えてくださいと電話あり。
今年は河津桜も開花遅れたし、ホタルもかなり発生が遅れたね。
実は今年のホタルはあきらめてたんだ。
ここがホタルのビオトープ。
✴︎写真



ホタルの幼虫がサナギになる為に水中から陸上にあがり土マユを作る場所が広範囲にイノシシに掘り起こされてね。まあ毎年多少は掘り起こされるのだが、今年はタイミングも悪く。
でもやっと舞い出した。感動!。
でもやっぱり例年より少ないと思う。申し訳なく。
そんなタイミングで新聞社からの電話。
記録の為にも書いておきたい。
私は平成5年に自然保護の海山メダカの会を作った。その頃、よく私にホタルは飼育繁殖できないか?と問いかけがあったのだが、ホタルは高温に弱いと固定観念があった私なので、手は出せなかったんだ。ある日ヘイケボタルはメダカの環境と同じだと言う事を知った。メダカ飼育からメダカの好む環境を良く知ってた私だから、ホタル飼育に挑戦する事とした。確か私の息子が小学校三年生ぐらいだったのではないかと思う。私はホタル飼育に息子を巻き込む事にした。
ヘイケボタルの時期になると毎晩のように息子はお父さんに付いてきてくれた。ホタルのメスを探すためだ。飛び回るのはほぼオスなんだ。産卵の用意ができたメスは水際の苔や草の中でぼ〜と光りじっとしている。あの頃はクマ騒動なんて無かったが、川の中の水がピチャピチャしてるヨシ原の夜は一人ではなかなか不気味だったので息子がいるだけで、気合いが入ったと言うものだった。バカなお父さんだったな(笑)。
私は頭にヘッドライト、手にはタモ、足元はヴェイダーと、息子にはプラケースを持たせ、息子をおんぶして川のヨシ原に入って行ったな。
おんぶは親バカと思うだろうが、夜にあんな危険な場所をとても歩かす訳にはいかない。
点滅をほぼしない、ぼ〜と光るメスを見つけた時には本当感動した。そして息子もメスの光り方を覚えお父さんの背中の上でキョロキョロと探していたな。
あっ!メスちゃうか?と。しばらく見てると五匹ぐらいオスが集まっているのに気付く。お父さんは汗まみれ。息子はしがみついて見てる。こんな事が何度かあったある夜。メスやじょ!としゃがんでおんぶした息子と顔を近づけていくと、目の前にマムシがいた!。ヤバイ世界だったな(笑)。
メスを2匹、オス20匹ぐらい捕まえ、プラケースでヘイケボタルの飼育が始まった。そうその年は平成16年だ。産卵、孵化、エサやりと順調に進んでいたが、その9月にあの台風が襲い自宅は水没し、ホタル飼育ケースも水中に沈んだ。
私はとりあえずホタル飼育ケースを拾い上げる。後で気づいたのだが、幼虫が3匹残っていてくれたんだ。災害復旧作業にエサもやれないでいた。そして春にはサナギになるための陸上もケースの中で作り成虫を待った。いつ成虫になるかもわからなかったからフタをしていなかったんだ。ある日プラケース近くでホタルの光りを見た時には光りがにじんで見えた。
それからは毎年、ホタル飼育を繰り返していた。そしてキャンプインの池をホタルのビオトープと位置付け飼育していた幼虫150匹ぐらいをみんなで放流したんだ。
なので、ホタルの遺伝子は海山のホタルです!と新聞社に言う私だったな。
ヘイケボタルもゲンジボタルもメスが極端に少ない。30匹に1匹ぐらいだろか?。
なので、今年発生数が少ない場合、メスが誕生してくれるのか?かなり不安に思ってる私なんだ。
来年また発生してくれたら本当嬉しいなと。
新聞社の取材からこんな昔話を思い出した私だった。
by理事長